保父と呼ばれた時代から保育に携わる男性保育士からのメッセージ

保父と呼ばれた時代から保育に携わる男性保育士からのメッセージ

 私が『保父』として配属された平成5年当時は今以上に希少で珍しい存在でした。『男の先生ってどんな人?』と同僚保母にも園児にも保護者にも注目されました。今でこそ男性保育士が増加して一般的な印象の存在になり、園によっては複数配属されているところもありますが、当時は市町村で1人いるかどうかの時代でした。

 また、その頃(1990年代初頭)から一人親家庭が増えていました。
割合にしてクラスに1人か2人でしたが、その頃の先輩保母に『私が若手の頃(1980年代)は園で一人いるかどうかだったよ』と話してくれました。
 そして2010年代になり、今はクラスの半数が一人親家庭という割合の園もいます。一人親家庭になる事情や要因は様々だとは思いますが、大変な増加であり、社会の基盤である家庭の絆に危機を感じます。そのような中、近年の保育需要の高まりもあり、父親的な役割を期待される男性保育士の存在も重要になっていますね。『肩車』や『相撲』などの体を使ったあそび、演劇や歌でのパフォーマンス、工作や絵画などでの技術や閃きを盛り込み、男性ならではの長所を盛り込むことで保育内容をより豊かなものへと繋げられる機会にもなるでしょう。

 ただ、保育はまだまだ女性が主流の職場です。また、昨今の複雑多様化した社会情勢もあり、男性にとって必ずしも働きやすい安い職場とは言い難い面もあるかもしれません。
 それでもこのページを見ている方は何かのきっかけや想いがあって『男性保育士になろう』と思い立って保育の道を志した方です。
 『初心忘るべからず』とはいえば月並みですし、その思いを抱き続けるのは大変です。モチベーションが下がることもあると思いますが、それでも『時々、初心に返って』みるタイミングを活かすのも良いでしょう。そして、子どもたちからパワーをもらって日々の仕事を頑張ってほしいです。

私が保育士やって良かったと思った場面はお帰りのときお父さんやお母さんと笑顔で帰っていく子どもの姿でした。『今日はこんなことした』『おもしろいことがあった』など、聞くともなしに耳に届く微笑ましい会話に『今日一日やりとげた』という気持ちがして明日も頑張ろうって思わせてくれました。

寄稿者 「青空先生」様
所属・保育歴 元公立保育園勤務

※2017年08月07日現在の情報

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